Leçon 19Les vins français
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文法
それでは,文法の勉強を始めましょう。ゴールは間近です,頑張りましょう。
さあ,Leçon 19 のメニューを見てください。
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今からみなさんがマスターしようとしているのは,1. 条件法現在です。
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条件法の活用形は,これまでやった2つの時制の活用形を組み合わせるとできるんだよ。さて,何と何を組み合わせるのだろうね。
1. 条件法現在
Le prix des vins du Chili,… expliquerait … la hausse de leurs exportations.
expliquerait は expliquer の「条件法」の形だよ。ここでは,断定を避けて,語調を和らげる用法です。訳文の「〜かもしれません」でそのニュアンスをあらわしているんだ。
条件法の作り方
はじめに条件法現在の活用について見ていきましょう。活用形はどのようにして作るのでしょうか?活用語尾と語幹に分けて見てみましょう。まずは活用語尾です。
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条件法現在の活用語尾(1)
条件法現在の活用語尾は,-rais, -rais, -rait, -rions, -riez, -raient
danser の条件法現在
je danserais | nous danserions |
tu danserais | vous danseriez |
il/elle danserait | ils/elles danseraient |
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この活用語尾,どこかで見たような気がしない?そう,r をとると,ある時制の活用語尾とまったく同じだね。さてその時制とは?
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条件法現在の活用語尾(2)
条件法現在の活用語尾
= r +半過去の活用語尾(-ais, -ais, -ait, -ions, -iez, -aient)
danser の直説法半過去
je dansais | nous dansions |
tu dansais | vous dansiez |
il/elle dansait | ils/elles dansaient |
danser の条件法現在
je danserais | nous danserions |
tu danserais | vous danseriez |
il/elle danserait | ils/elles danseraient |
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条件法現在の発音は3種類です。danserais,danserait,danseraient は3つとも同じ発音なんだね。では,もう一度 danser の条件法の活用を発音してみましょう。
条件法現在の活用語尾はもう大丈夫ですね。今度は語幹について見てみましょう。
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条件法の語幹
条件法の語幹は,直説法単純未来の語幹と同じ。
finir の条件法現在
je finirais | nous finirions |
tu finirais | vous finiriez |
il/elle finirait | ils/elles finiraient |
finir の直説法単純未来
je finirai | nous finirons |
tu finiras | vous finirez |
il/elle finira | ils/elles finiront |
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finir の条件法現在と直説法単純未来の活用形を見てください。とてもよく似ているよね。条件法現在と直説法単純未来の語幹(fini)は同じです。次の確認練習をする前に,ここで単純未来形の語幹の作り方を復習しておくといいよ。
条件法の作り方をまとめると次のようになります。
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条件法現在の作り方(1)avoir
条件法現在=直説法単純未来の語幹+ r +直説法半過去の活用語尾
avoir の条件法現在
j' aurais | nous aurions |
tu aurais | vous auriez |
il/elle aurait | ils/elles auraient |
avoir の直説法単純未来
j' aurai | nous aurons |
tu auras | vous aurez |
il/elle aura | ils/elles auront |
avoir の直説法半過去
j' avais | nous avions |
tu avais | vous aviez |
il/elle avait | ils/elles avaient |
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avoir の条件法現在は,「条件法過去」(Leçon 20)を作るときに使うので,発音して覚えておくといいよ。
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条件法現在の作り方(2)être
être の条件法現在
je serais | nous serions |
tu serais | vous seriez |
il/elle serait | ils/elles seraient |
être の直説法単純未来
je serai | nous serons |
tu seras | vous serez |
il/elle sera | ils/elles seront |
être の直説法半過去
j' étais | nous étions |
tu étais | vous étiez |
il/elle était | ils/elles étaient |
Comment
étre の条件法現在も,「条件法過去」(Leçon 20)を作るときに使うので,発音して覚えておくといいよ。
用法
それでは条件法の用法について見ていきましょう。用法は,大きく3つに分けることができます。
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条件法現在の用法
1) 現在・未来の事柄に関する断定を避け,語調を和らげる。
2) 現在・未来の事実に反する仮定の結果をあらわす。
3) 過去における未来(→時制の一致)
- 1) Je te suivrais jusqu'au bout du monde.
私は世界の果てまであなたについて行くでしょう。 - Je voudrais un bon vin.
おいしいワインが欲しいのですが。 - 2) Si j'étais plus beau, je serais plus heureux.
もっとハンサムであったなら,僕はもっと幸せだろうに。 - 3) Elle m'a dit qu'elle étudierait en France.
彼女は私にフランスに留学するだろうと言った。
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条件法現在がもっともよく用いられるのは,1) の用法だよ。
それぞれの用法を順に見ていきましょう。最初の用法は?
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用法1: 現在・未来の事柄に関する断定を避け,語調を和らげる。
- Je crois que je ne pourrais plus me passer de toi.
もうきみなしではやっていけないのではないかと思う。
- Je te suivrais jusqu'au bout du monde.
私は世界の果てまであなたについて行くでしょう。 - Je voudrais un bon vin.
おいしいワインが欲しいのですが。
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pourrais, suivrais, voudrais の不定詞は,それぞれ pouvoir, suivre, vouloir です。
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直説法を用いて,Je veux un bon vin. と言うと,何が何でもおいしいワインが欲しいという意味になり,不躾な欲求をあらわす表現になってしまうんだ。そこで,条件法を用いると語調が和らぎ,控えめで丁寧な表現になるんだよ。
もっと知りたい! Quelques infos en plus!
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推測,伝聞をあらわす用法
放送や新聞では,断定を避けるために条件法が使われます。条件法のこのような用法を,特に「推測,伝聞をあらわす用法」と呼んでいます。
- Le prochain round des pourparlers à six aurait lieu dans les deux mois.
次の6者協議は2ヶ月以内に行われるであろう。 - Le ministre japonais ne visiterait pas le sanctuaire de Yasukuni une fois élu PM.
その日本の大臣は,首相に選ばれたなら靖国神社には参拝しないであろう。
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ニュースの報道でよく使われるので覚えておくといい用法だよ。
用法
さて,条件法現在の2番目の用法は?そしてそのパターンは?
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用法2: 現在・未来の事実に反する仮定の結果をあらわす
Si +直説法半過去, ・・・・・条件法現在
- Si j'étais plus beau, je serais plus heureux.
もっとハンサムであったなら,僕はもっと幸せだろうに。 - Si la Terre était un chat, je la caresserais tout doucement.
もし地球がネコだったら,やさしく愛撫してあげるのですが。
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条件法現在は,「英語の仮定法過去」にあたるんだね。条件法は「もし〜だったら」という条件節で用いるのではないことに要注意だよ。条件節では直説法半過去を用い,条件法は結果節(「〜だろう」)で用います。
ここで,直説法半過去の活用形の作り方を復習しておきましょう。
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確認練習をする前に,ここで,直説法半過去の活用形の作り方を復習しておくといいよ。L14-1
条件法現在の用法,最後はこれです。
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用法3: 過去における未来(→時制の一致)
主節 | 従属節 | 主節 | 従属節 | |
現在 | 単純未来 | → | 過去 | 条件法現在 |
- Elle m'a dit : « J'étudierai en France. » →
-
Elle m'a dit qu'elle étudierait en France.
彼女は私にフランスに留学するだろうと言った。
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主節の動詞が現在形から過去形に変わると,従属節中の「単純未来」は「条件法現在」になります。このような時制の一致については,Leçon 17 で既に見てきたね。
2. 受動態
再び,Leçon 19 のメニューを見てください。
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今からみなさんがマスターしようとしているのは,2. 受動態です。
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実は,フランス語では英語ほど受動態は使われないんだよ。それは,フランス語が能動態で表現するのを好む言語だからだよ。それに,受動態の代わりに代名詞の on を主語にして能動態で表現したり(On m'a volé mon vélo. 誰かが私の自転車を盗んだ),代名動詞の受動的用法もあるからなんだ。でも,どうしても受動態を使わないと表現できない場合もあるから,しっかり勉強してね。
Les vins français sont menacés par les vins du "nouveau monde".
フランス語の受動態(受身形)は英語と同じ形をしているから簡単だよ。
それでは受動態の作り方を見ていきましょう。
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受動態の作り方
受動態 =être + 他動詞の過去分詞(+ par (de)+動作主)
受動態の現在形 = être の現在形 + 過去分詞
- Mon ordinateur est infecté par un virus.
私のコンピューターはウイルスに感染している。 - Elle est attirée par le métier d'architecte.
彼女は建築の仕事に魅せられている。
受動態の複合過去形 = avoir の現在形 + été +過去分詞
- Versailles a été copié par plusieurs autres rois.
ヴェルサイユ宮殿は,何人かの他の王様に模倣された。 - Ils ont été renversés par un camion.
彼らはトラックにひかれた。
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過去分詞の性・数の一致
過去分詞は主語の性・数と一致するので,注意が必要です。
- Elle est attirée par le métier d'architecte.
彼女は建築の仕事に魅せられている。 - Ils ont été renversés par un camion.
彼らはトラックにひかれた。
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動作主の前の前置詞 par と de の使い分け
「être + 過去分詞」が一時的な行為 → par
「être + 過去分詞」が継続的な状態 → de
Elle est aimée (connue) de tous.
彼女は皆に好かれて(知られて)いる。
文法 / 自律学習コーナー
1. 条件法現在(つづき)
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今からみなさんがマスターしようとしているのは,1. 条件法現在(つづき)です。
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事実に反する仮定をあらわす条件法の練習をもっとしてみましょう。si の節では,半過去形を使うのだったんだよね。
練習問題をやる前に,次のヴォキャブラリーを覚えましょう。
jeune 若い fort 強い riche 金持ちの
libre 自由な,暇な français フランス人の
habiter en Provence プロヴァンスに住む
vivre sans travailler 働かないで暮らす
participer aux Jeux Olympiques オリンピックに出る
faire le tour du monde 世界中を見てまわる
étudier à l'étranger 留学する
Modèle :
- Si tu étais plus jeune, qu'est-ce que tu ferais ?
もしきみがもっと若かったら,きみは何をするだろうか?
- Je ferais le tour du monde.
私は世界中を見てまわると思うわ。
2. 所有代名詞
再び,Leçon 19 のメニューを見てください。
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今からみなさんがマスターしようとしているのは,2. 所有代名詞です。
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「所有代名詞」は,英語の mine, yours などと同じような働きをします。でも英語の mine, yours などと違うところもあるんだよ。
Pour augmenter les siennes, la France serait alors obligée de suivre les prix…
les siennes は ses exportations の代わりをする「所有代名詞」と呼ばれる代名詞だよ。
Point
所有代名詞は,近くで用いられている名詞表現を所有者だけ変えて再び用いるときに使われます。ということは,所有代名詞は,「所有形容詞+名詞」の代わりをするということです。
Votre pantalon est plus beau que son pantalon. | ||
↓ | ||
Votre pantalon est plus beau que le sien. あなたのズボンは彼(彼女)のよりもきれいだ。 |
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所有形容詞+名詞 → 定冠詞+所有代名詞
Comment
所有代名詞はいつも定冠詞といっしょに用いるんだよ。
Point
この所有代名詞を用いるときにまず注意したいことは,所有代名詞は代名詞化する名詞の性と数によって形が変わるということです。
- 男性単数
Votre pantalon est plus beau que le sien.(←son pantalon)
あなたのズボンは彼(彼女)のよりもきれいだ。 - 女性単数
Votre veste est plus belle que la sienne.(←sa veste)
あなたのジャケットは彼(彼女)のよりもきれいだ。 - 男性複数
Vos gants sont plus beaux que les siens.(←ses gants)
あなたの手袋は彼(彼女)のよりもきれいだ。 - 女性複数
Vos chaussures sont plus belles que les siennes.(←ses chaussures)
あなたの靴は彼(彼女)のよりもきれいだ。
Comment
所有者の性に一致するのではなくて,所有されているものの性に一致するから注意してね。
所有代名詞はさらに,所有者の人称と数に応じても変化するので,まとめると次のようになります。
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どの所有代名詞を用いるかは,
1) 所有者の人称の数(「私」,「私たち」など)
2) 所有されている対象の性と数
によって決められる。
Comment
それでは,「私の(もの)」から順にみていくね。
所有者が「私」の場合です。発音して形を覚えてしまいましょう。
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所有代名詞「私のもの」
代名詞化する名詞 | 所有代名詞 |
---|---|
男性単数 | le mien |
女性単数 | la mienne |
男性複数 | les miens |
女性複数 | les miennes |
Comment
この4つの形が,英語の mine ひとつに相当するわけだね。
所有者が「きみ」の場合です。発音して形を覚えてしまいましょう。
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所有代名詞「きみのもの」
代名詞化する名詞 | 所有代名詞 |
---|---|
男性単数 | le tien |
女性単数 | la tienne |
男性複数 | les tiens |
女性複数 | les tiennes |
Comment
この4つの形が,英語の yours ひとつに相当するわけだね。
所有者が「彼」か「彼女」の場合です。発音して形を覚えてしまいましょう。
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所有代名詞「彼(女)のもの」
代名詞化する名詞 | 所有代名詞 |
---|---|
男性単数 | le sien |
女性単数 | la sienne |
男性複数 | les siens |
女性複数 | les siennes |
Comment
この4つの形が,英語の his と hers のふたつに相当するんだよ。でも4つあっても,所有者の性(his と her)の区別をしているわけじゃないんだよ。
次の点は間違いやすいので,しっかり覚えておきましょう。
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所有代名詞は所有者の性に一致するのではなく,所有されているものの性に一致する。
- 男性単数
Votre pantalon est plus beau que le sien.(←son pantalon)
あなたのズボンは彼(彼女)のよりもきれいだ。 - 女性単数
Votre veste est plus belle que la sienne.(←sa veste)
あなたのジャケットは彼(彼女)のよりもきれいだ。
Comment
それぞれ,le sien が用いられているのは pantalon が男性名詞だから,la sienne が用いられているのは veste が女性名詞だからであり,所有者の性には関係ないんだよ。
それでは,所有者が複数の場合を見ていきましょう。まずは「私たち」の場合です。発音して形を覚えてしまいましょう。
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所有代名詞「私たちのもの」
代名詞化する名詞 | 所有代名詞 |
---|---|
男性単数 | le nôtre |
女性単数 | la nôtre |
男性・女性複数 | les nôtres |
Comment
notre ではなくて,nôtre であることに注意してね。また,les miens,les miennes 「私のもの」と les nôtres 「私たちのもの」を混同しないようにね。
所有者が「あなた(がた)」の場合です。発音して形を覚えてしまいましょう。
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所有代名詞「あなた(がた)のもの」
代名詞化する名詞 | 所有代名詞 |
---|---|
男性単数 | le vôtre |
女性単数 | la vôtre |
男性・女性複数 | les vôtres |
Comment
votre ではなくて,vôtreであることに注意してね。また,les tiens,les tiennes 「きみのもの」と les vôtres 「あなた(がた)のもの」を混同しないようにね。
最後は,所有者が「彼ら(彼女ら)」の場合です。発音して形を覚えてしまいましょう。
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所有代名詞「彼ら(彼女ら)のもの」
代名詞化する名詞 | 所有代名詞 |
---|---|
男性単数 | le leur |
女性単数 | la leur |
男性・女性複数 | les leurs |
Comment
同じように,les siens,les siennes 「彼(女)のもの」と les leurs 「彼ら(彼女ら)のもの」を混同しないように注意してね。
もう一度,所有代名詞の形を整理しておきましょう。まずは所有者が単数の場合です。
男性単数 | 女性単数 | 男性複数 | 女性複数 | |
1 | le mien | la mienne | les miens | les miennes |
2 | le tien | la tienne | les tiens | les tiennes |
3 | le sien | la sienne | les siens | les siennes |
Comment
上の表を見ると,次のような規則性があることに気づくね。
男性単数名詞の代わりをするときは,-ien
女性単数名詞の代わりをするときは,-ienne
男性複数名詞の代わりをするときは,-iens
女性複数名詞の代わりをするときは,-iennes
最後にもう一度,全部発音して覚えてしまおうね。
今度は所有者が複数人称の場合です。
男性単数 | 女性単数 | 男性・女性複数 | |
1 | le nôtre | la nôtre | les nôtres |
2 | le vôtre | la vôtre | les vôtres |
3 | le leur | la leur | les leurs |
Comment
上の表を見ると,次のような規則性があることに気づくね。
所有者が1・2人称で,単数名詞の代わりをするときは,-ôtre
所有者が1・2人称で,複数名詞の代わりをするときは,-ôtres
これも最後にもう一度,全部発音して覚えてしまおうね。
Exercice Synthétique
まず,次の単語をモデルの後について発音して覚えましょう。
rouge赤 | rose ピンク | orange オレンジ色 |
jaune黄 | brun(e) 茶色 | vert(e) 緑 |
bleu(e) 青 | violet(te) 紫 | gris(e) 灰色 |
noir(e) 黒 | blanc(blanche) 白 | |
une voiture 車 | une moto バイク | un vélo 自転車 |
Modèle :
- Ma voiture est rouge, celle de Sylvain est orange.
- La voiture de Sylvain est orange, la mienne est rouge.
イラストを見て,Eric, Laureになったつもりで,モデルにならって文を作りなさい。イラスト1の左の男性がEricで,右の男性がSylvainです。イラスト2の左の女性が Sylvieで,右の女性がLaureです。
1)
2)
Comment
「条件法」は英語の「仮定法」と似ているよ。「受動態」は受身形とも言うよね。条件法も受動態もそれほど頻繁には使われないけれど,これらを使わないと表現できないこともあるから,しっかり勉強しようね。