La Grammaire Active du Français

テキスト

聞いてみよう

読んでみよう

フランス語
日本語

Les Français et les vacances

フランス人とヴァカンス

Que font les Français en juillet et en août ?

フランス人は7月と8月に何をするのでしょうか。

Ils partent en vacances.

人々はヴァカンスに出かけます。

Un salarié français a droit à un minimum de cinq semaines de vacances payées.

フランスの給与生活者は最低限5週間の有給休暇を取る権利があります。

vont-ils ?

どこへ行くのでしょうか。

À la mer, dans le sud de la France ou en Espagne.

南フランスやスペインの海に行きます。

Avec qui ?

誰と行くのでしょうか。

En famille, et parfois avec des amis.

家族と行きますが,ときには友人と行くこともあります。

文法

ソーマ

それでは,文法の勉強を始めましょう。
さあ,Leçon 10 のメニューを見てください。

Leçon 10のメニュー

Comment

この課の文法項目,疑問代名詞,3つの冠詞の使い分け,命令法,3つともとても重要だから,しっかりマスターしてね。

Check

今からみなさんがマスターしようとしているのは 1. 疑問代名詞です。

Comment

コミュニケーションをするには絶対に必要だから,しっかりマスターする必要があるね。でも,ちょっとてごわいよ。頑張って!

1. 疑問代名詞

Que font les Français en juillet et en août ?

ソーマ

文頭の que は疑問代名詞だよ。下の表をまず横に,次に縦に見てみて!規則性があるよね。

形と用法

まず,疑問代名詞をざっと見てみましょう。次の疑問代名詞(緑の単語)の意味を確認しながら,発音しましょう。

  主語 直接目的語・補語(属詞) 間接目的語・状況補語
Qui
Qui est-ce qui

Qui
Qui est-ce que(qu’)

前置詞+qui

前置詞+qui est-ce que(qu’)

Qu’est-ce qui Que
Qu’est-ce que(qu’)

前置詞+quoi

前置詞+quoi est-ce que(qu’)

Point

ちょっと複雑なようですが,前置詞がつく場合はわきに置いておいて,残りをよく見てみるとある規則性があることに気づきます.まず,最初の単語に注目してください。そうですね,人についてたずねるときは Qui を,人以外についてたずねるときには Que (Qu’) を使うのですね。

Check

Qui と Que の使い分け

  主語 直接目的語・補語(属詞) 間接目的語・状況補語
Qui
Qui est-ce qui
Qui
Qui est-ce que(qu’)

前置詞+qui

前置詞+qui est-ce que(qu’)

Qu’est-ce qui Que
Qu’est-ce que(qu’)

前置詞+quoi

前置詞+quoi est-ce que(qu’)

Comment

人についてたずねるのであれば,Qui で,人以外についてたずねるのであれば,Que で文をはじめるということだね。まず,このルールをしっかり覚えておいてね。

Point

こんどは表を縦に見てみましょう。たずねる対象が主語になっているときには est-ce qui が,そうでないときには est-ce que が使われています.

Check

est-ce qui と est-ce que の使い分け

  主語 直接目的語・補語(属詞) 間接目的語・状況補語
Qui
Qui est-ce qui
Qui
Qui est-ce que(qu’)

前置詞+qui

前置詞+qui est-ce que(qu’)

Qu’est-ce qui Que
Qu’est-ce que(qu’)

前置詞+quoi

前置詞+quoi est-ce que(qu’)

Comment

est-ce qui と est-ce que の使い分けについてだけれど,たずねる対象が文中で主語の働きをしているときには,est-ce qui を,そうでないときには est-ce que を使うということだね。このことを2番目のルールとして覚えておいてね。

Comment

2種類の疑問詞

たずねる対象が人以外(物)で主語になっている場合(「何が」)を除いて,同じことをたずねるのに2種類の疑問詞があります.つまり,est-ce qui や est-ce que の入っている疑問詞と入っていない疑問詞の2種類があるのです。

先生,質問 !

同じことをたずねるのに2種類の疑問詞がある場合は,どのように使い分けるのですか?

Comment

一般的には,est-ce の入っていない qui とか que だけが使われるのは,少し改まって質問をするときです。

あなたはだれを愛しているのですか?
Qui aimez-vous ? > Qui est-ce que vous aimez ?

あなたは何を探しているのですか?
Que cherchez-vous ? > Qu'est-ce que vous cherchez ?

それぞれ左のほうが,右のより改まった感じのする疑問文です。

Comment

発音の仕方にもよりますが,est-ce の入っている疑問詞は,「いったいだれが(を)」「いったい何を」と強調したいときにも使います。

いまの疑問代名詞をもう少しわかりやすく整理してみましょう。
最初は,人についてたずねる場合です。

1.人についてたずねる

Check

1)「だれが ... するのですか?」(主語)

Qui + 動詞 ...?
Qui est-ce qui + 動詞 ...?

Qui aime la musique ?
訳:だれが音楽が好きですか?

Qui est-ce qui aime la musique ?
訳:だれが音楽が好きですか?

Comment

「だれが ... 」とたずねたいときには,Qui か Qui est-ce qui を使う。しっかり覚えておいてね。

「だれが ... 」とたずねるときには,Qui か Qui est-ce qui を使いますが,「だれを ... 」とたずねるときには,どのように言うのでしょうか?

Check

2)「だれを ... するのですか?」(直接目的語)

Qui + 動詞 +主語...?
Qui est-ce que(qu’) + 主語+ 動詞?

Qui aime-t-il ?
訳:彼はだれを愛しているのですか?

Qui est-ce qu’il aime ?
訳:彼はだれを愛しているのですか?

Comment

Qui だけのときは,主語と動詞は倒置する。でも,Qui est-ce que  のときには,倒置しない。est-ce が入っているときには,いつも倒置しないんだよ。

人についてたずねる場合,「だれが ... 」,「だれを ... 」の次は,「... はだれですか?」です。さあ,どのように言うのでしょうか?

Check

3)「... はだれですか?」(補語(属詞))

Qui + 動詞 (être の活用形)+ 主語?

Qui est-ce ?
訳:あれはだれですか?

Qui êtes-vous ?
訳:あなたはだれですか?

Comment

Q「... はだれですか?」とたずねるときには,たいていの場合は,Qui est ... ? と言えばいいんだね。主語が名詞のときにもこの構文だよ。 Qui est cette dame ? あのご婦人はだれですか?

先生,質問 !

「〜はだれですか?」とたずねるときに使うのは,qui だけで,qui est-ce que は使わないのですか?

Comment

普通は,qui を使います。 qui est-ce que が使われるのは稀です。ですから,「〜はだれですか?」とたずねるときは,qui を使うと覚えておいたほうがいいでしょう。

これは(あれは)だれですか?
○ Qui est-ce ?
× Qui est-ce que c’est ?

あの婦人はだれですか?
○ Qui est cette dame ?
× Qui est-ce que cette dame est ?

Comment

Qui est + 代名詞主語のときには,est と代名詞主語の間に trait d'union (ハイフン)が必要です。Qui est + 名詞主語のときには, trait d'union は要りません。

もっと知りたい! Quelques infos en plus !

quel と qui について

疑問形容詞 quel と疑問代名詞 qui は,同じような働きをすることがあります。それは,主語が名詞で,「だれ」(補語)とたずねるときです。

きみの好きな歌手はだれなの?
Quel est ton chanteur préféré ?
Qui est ton chanteur préféré ?

Comment

quel とqui が同じように使えるのは,主語が名詞で,「だれ」(補語)とたずねるときだけだから,気をつけましょう。

疑問代名詞の前に前置詞をつける用法もあります。前置詞をつければ,「だれに」,「だれと」とたずねることができます。

Check

4)「だれに(だれと,etc.)... するのですか?」(間接目的語・状況補語)

前置詞 + qui + 動詞 + 主語?
前置詞 + qui est-ce que(qu’) + 主語+ 動詞?

De qui parlez-vous ?
訳:だれのことを話しているのですか?

Avec qui est-ce que tu danses ?
訳:きみはだれと踊るの?

Comment

フランス語では,英語と異なってふつうは前置詞だけを文末に置いておくことはできないんだよ。
× Qui parlez-vous de?

ここで,人についてたずねる場合を,整理しましょう。

Check

1)「だれが ... するのですか?」(主語)

Qui + 動詞?
Qui est-ce qui + 動詞?

Check

2)「だれを ... するのですか?」(直接目的語)

Qui + 動詞 + 主語?
Qui est-ce que(qu’) + 主語+ 動詞?

Check

3)「... はだれですか?」(補語(属詞))

Qui + 動詞 (être の活用形)+ 主語?

Check

4)「だれに(だれと,etc.)... するのですか?」(間接目的語・状況補語)

前置詞 + qui + 動詞 + 主語?
前置詞 + qui est-ce que(qu’) + 主語+ 動詞?

今度は,疑問代名詞の後の主語と動詞の語順についてまとめてみましょう。

Check

疑問代名詞の後の主語と動詞の語順

1)疑問詞が Qui だけのとき
動詞+主語 (倒置する)

2)est-ce que(qu') があるとき
主語+動詞 (倒置しない)

彼はだれを愛しているのだろうか?
Qui aime-t-il ? Qui est-ce qu’il aime ?

あなたはだれと踊るのですか?
Avec qui dansez-vous ?
Avec qui est-ce que vous dansez ?

Comment

est-ce がなければ,倒置。est-ce があれば,倒置しない。このように簡単に覚えておいてもいいよ。

ここで,人についてたずねる場合を,もう一度整理しましょう。

Check

ステップ1 2つの方法がある。

1)qui だけを使う
2)qui est-ce qui(que) を使う

Check

ステップ2 主語と動詞を倒置するかしないか?

1)qui だけの場合は倒置する 
2)est-ce があるなら倒置しない

Check

ステップ3 以上をまとめると•••

1)「だれが••」とたずねるとき,qui qui est-ce qui を使う
2)「だれですか」とたずねるとき,qui を使う
3)「だれを••」とたずねるとき,qui qui est-ce que を使う
4)「だれに(と,etc.)••」とたずねるとき,前置詞+qui か前置詞+qui est-ce que を使う

次は,人以外(物)についてたずねる場合です。人以外(物)についてたずねる場合は,Que(Qu’)で始めるのでしたね。

2. 人以外(物)についてたずねる

Check

1)「何が ... するのですか?」(主語)

Qu’est-ce qui + 動詞?

Qu’est-ce qui se passe ?
訳:何が起こっているの?(どうしたの?)

Qu’est-ce qui ne va pas ?
訳:何がよくないのですか?

Comment

「何が ... するのですか?」とたずねるときは,この言い方しかないんだよ!

「何が ... 」とたずねるときには,Qu’est-ce quiですが,「何を ... 」とたずねるときには,どのように言うのでしょうか?

Check

2)「何を ... するのですか?」(直接目的語)

Que(Qu’) + 動詞 + 主語?
Qu’est-ce que(qu’) + 主語+ 動詞?

Que faites-vous ?
訳:あなたは何をしていますか?

Qu’est-ce que vous faites ?
訳:あなたは何をしていますか?

Comment

est-ceがなければ,倒置。est-ceがあれば,倒置しない。というルールだったね。

人以外(物)についてたずねる場合,「何が ... 」,「何を ... 」の次は,「... は何ですか?」です。さあ,どのように言うのでしょうか?

Check

3)「... は何ですか?」(補語(属詞))

Que(Qu’) + 動詞 + 主語?
Qu’est-ce que(qu') + 主語+ 動詞?

Que devient-il ?
訳:彼はどうしていますか?

Qu’est-ce que c’est ?
訳:それは何ですか?

Comment

「それは何ですか?」とたずねたいとき,Qu’est-ce?とは言わないから,注意してね!

Point

今度は,疑問代名詞の前に前置詞をつけて,人以外(物)についてたずねる場合です。前置詞の後では que は使えません。que のかわりに quoi を使うのです。

Check

4)「何に(何で,etc.)... するのですか?」(間接目的語・状況補語)

前置詞 + quoi + 動詞 + 主語?
前置詞 + quoi est-ce que(qu’) + 主語+ 動詞?

Avec quoi mange-t-on ?
訳:何で食べるのですか?

Avec quoi est-ce qu’on mange ?
訳:何で食べるのですか?

Comment

前置詞の後では que ではなくて,quoi 。しっかり覚えておいてね。qui は,いつも qui なのに,どうしてだろうね?

ここで,人以外 (物)についてたずねる場合を,整理しましょう。

Check

1)「何が ... するのですか?」(主語)

Qu’est-ce qui + 動詞?

Check

2)「何を ... するのですか?」(直接目的語)

Que(Qu’) + 動詞 + 主語?
Qu’est-ce que(qu’) + 主語+ 動詞?

Check

3)「... は何ですか?」(補語(属詞))

Que(Qu’) + 動詞 + 主語?
Qu’est-ce que(qu') + 主語+ 動詞?

Check

4)「何に(何で,etc.)... するのですか?」(間接目的語・状況補語)

前置詞 + quoi + 動詞 + 主語?
前置詞 + quoi est-ce que(qu’) + 主語+ 動詞?

今度は,疑問代名詞の後の主語と動詞の語順についてまとめてみましょう。

Check

疑問代名詞の後の主語と動詞の語順

1) 疑問詞が Que(quoi) だけのとき
動詞+主語 (倒置する)

2) est-ce que(qu') があるとき
主語+動詞 (倒置しない)

Que faites-vous ? Qu’est-ce que vous faites ?
訳:あなたは何をしていますか?

Que devient-il ? Qu’est-ce qu’il devient ?
訳:彼はどうしていますか?

Avec quoi mange-t-on ? Avec quoi est-ce qu’on mange ?
訳:何で食べるのですか?

Comment

est-ce がなければ,倒置。est-ce があれば,倒置しない。というルールだったね。

ここで,人以外 (物)についてたずねる場合を,もう一度整理しましょう。

Check

1)「何が••」とたずねるとき,Qu’est-ce qui を使う

Check

2)「何を ... 」とたずねるとき,QueQu’est-ce que を使う

Check

3)「何ですか」とたずねるとき,QueQu’est-ce que を使う

Check

4)「何に(何で,etc.)... 」とたずねるとき,前置詞+quoi か前置詞+quoi est-ce que を使う

最初の表をみてください。もう一度まとめておきましょう。

  主語 直接目的語・補語(属詞) 間接目的語・状況補語
Qui
Qui est-ce qui

Qui
Qui est-ce que(qu’)

前置詞+qui

前置詞+qui est-ce que(qu’)

Qu’est-ce qui Que
Qu’est-ce que(qu’)

前置詞+quoi

前置詞+quoi est-ce que(qu’)

Point

前置詞がつく場合はわきに置いておいて,残りをよく見てみると規則性があるのでしたね,要するに,人についてたずねるときは qui で,人以外についてたずねるときには Que (Qu’) で文を始めるということですね。

Point

こんどは表を縦に見てみましょう。est-ce qui と est-ce que の使い分けについてですが,たずねる対象が主語になっているときには est-ce qui を,そうでないときには est-ce que を使うのですね。

先生,質問 !

疑問詞が qui あるいは que だけのときは,主語が名詞なら,複合倒置するのですか?

Comment

なかなかいい質問ですね。主語と動詞をひっくり返すだけなのが「単純倒置」,主語を代名詞で受け直す形でひっくり返すのが「複合倒置」でしたね。忘れてしまったひとは, Leçon 4 を見てください。では,質問に答えることにしましょう。「だれを」(直接目的語)とたずねる場合の qui の後と,前置詞+ qui (quoi) の後は,単純倒置も複合倒置もどちらも可能です。でも,次の場合は単純倒置しかできません。

1)「何を」(直接目的語),「何」(補語)とたずねる場合の que の後

あなたのお父さんは何をしていますか?
○ Que fait votre père ?
×  Que votre père fait-il ?

2)「だれ」(補語)とたずねる場合の qui の後

あの婦人はだれですか?
○ Qui est cette dame ?
×  Qui cette dame est-elle ?

もっと知りたい! Quelques infos en plus !

日常会話の疑問文について

フランス語の疑問代名詞の使い方,わかりましたか?実は,くだけた日常会話では,もっと簡単な疑問文が用いられます。

1)Qui の後,前置詞+qui(quoi) の後では,しばしば倒置しない。
Qui tu aimes ? だれを愛しているの?
A quoi tu penses ? 何を考えているの?

2)疑問詞をしばしば前置しない。
C’est qui? だれなの?
On mange avec quoi ? なにで食べるの?

Comment

イントネーションによっては,失礼になるから,気をつけるんだよ。

2. 3つの冠詞の使い分け

ソーマ

再び,Leçon 10 のメニューを見てください。

Leçon 10のメニュー

Check

今からみなさんがマスターしようとしているのは 2. 3つの冠詞の使い分けです。

Comment

フランス語には不定冠詞,定冠詞,部分冠詞という3つの冠詞があるのでしたね。忘れてしまったひとは,Leçon 1 と Leçon 8 をもう一度見てください。さて,3つの冠詞はどのように使い分けられているのでしょうか。3つの冠詞が三つ巴になって対立しているのではないんだよ。不定冠詞と部分冠詞は一丸となって定冠詞と対立しているんだよ。

まず,3つの冠詞の形を復習しておきましょう。

不定冠詞:un, une, des

部分冠詞:du, de la, de l'

定冠詞 :le, la, l' , les

Check

不定冠詞・部分冠詞 vs 定冠詞

1)不特定のものを指しているか,または聞き手には何を指しているかわかっていない場合 →  不定冠詞・部分冠詞

2)名詞が特定のものを指しているか,または話し手も聞き手も何を指しているかわかっている場合 →  定冠詞

Comment

3つの冠詞が三つ巴に対立していないこと,わかった?不定冠詞と部分冠詞は一丸となって定冠詞と対立しているんだね。だから,不定冠詞と部分冠詞は見かけは違っているけれど,似ているところもあるから demi-frère 「異父(異母)兄弟」のようなものだね。では,この二つはどのように使い分けるのかな?

不定冠詞・部分冠詞の使い方

Check

不定冠詞 vs 部分冠詞

不特定のものを指しているか,または聞き手には何を指しているかわかっていない場合

数えられるものなら →  不定冠詞 (un, une, des)
数えられないものなら →  部分冠詞 (du, de la, de l' )
Je voudrais une baguette. 訳:バゲットをひとつください。
Vous avez des croissants ?  訳:クロワッサン,ありますか。
Je mange du pain. 訳:私はパンを食べます。
Comment

あるものが数えられるか,数えられないかは,ものに固定しているわけではありません。話す人がどのようなものをイメージしているかによって,変化します。

Un café, s’il vous plaît. コーヒーひとつ,お願いします。

Je vais vous faire du café. コーヒーを入れてあげましょう。

「不特定のものを指しているか,または聞き手には何を指しているかわかっていない場合」は,不定冠詞・部分冠詞を使うということですが,今度は,不定冠詞と部分冠詞の使い方を具体的に見てみましょう。

Check

1 不特定のもの(人)を指している

Pardon, Madame, je cherche un bureau de change.
訳:すみません,両替所をさがしているのですが。

On peut retirer de l’argent avec cette carte ?
訳:このカードでお金を引き出すことできますか?

Check

2 聞き手には何(誰)を指しているかわかっていない

Vous ressemblez beaucoup à une copine de lycée.
訳:あなたは(私の)リセの友達にとてもよく似ています。

定冠詞の使い方

「名詞が特定のものを指しているか,または話し手も聞き手も何を指しているかわかっている場合」は,定冠詞を使うということですが,定冠詞の使い方を具体的に見てみましょう。

Check

1 話の流れや状況から何を指しているかわかる

- Nous avons une chambre à deux lits.
- Quel est le tarif de la chambre?
訳:- ツインの部屋が1つあります。
- その部屋の料金はいくらですか?

Passe-moi le pain, s’il te plaît.
訳:そこのパン取って,お願い

Check

2 前置詞句や関係代名詞節によって限定されている

Quel est le prix du petit déjeuner ?
訳:朝食の料金はいくらですか?

Check

3 総称的に用いられている

J’aime les escargots.
訳:エスカルゴが好きです。

Nous aimons la viande.
訳:私たちは肉が好きです。

Comment

「〜が好きだ」と言いたいとき,定冠詞の単数と複数は次のように使い分けます。

1)aimer + le(la) + 数えられない名詞

2)aimer + les + 数えられる名詞

Comment

3つの冠詞の使い分け,わかりましたか。練習は,自律学習コーナーでしてね。

文法 / 自律学習コーナー

ソーマ

ここからは自律学習コーナーです。
再び,Leçon 10 のメニューを見てください。

Leçon 10のメニュー

Check

今からみなさんがマスターしようとしているのは 1. 疑問代名詞 (つづき) です。

Comment

疑問代名詞はコミュニケーションをするためにはとても重要です。しっかり復習しておきましょう。

1. 疑問代名詞 (つづき)

まず,疑問代名詞の使い方の基本的なルールを復習しておきましょう。

Comment

人についてたずねるのであれば,Qui で,人以外についてたずねるのであれば,Que で文をはじめるということでしたね。

Comment

たずねる対象が人以外(物)で主語になっている場合(「何が」)を除いて,同じことをたずねるのに2種類の疑問詞がありました。つまり, est-ce qui や est-ce que の入っている疑問詞と入っていない疑問詞の2種類がありましたね。

Comment

たずねる対象が文中で主語の働きをしているときには,est-ce qui を,そうでないときには est-ce que を使うということでしたね。

疑問代名詞の使い分けをもう一度整理しておきましょう。
最初は,人についてたずねる場合です。

1.1 人についてたずねる

Check

1)「だれが ... するのですか?」(主語)

Qui + 動詞 ...?

Qui est-ce qui + 動詞 ...?

Check

2)「だれを ... するのですか?」(直接目的語)

Qui + 動詞 + 主語?

Qui est-ce que(qu’) + 主語+ 動詞?

Check

3)「... はだれですか?」(補語(属詞))

Qui + 動詞 (être の活用形)+ 主語?

Check

4)「だれに(だれと,etc.)... するのですか?」(間接目的語・状況補語)

前置詞 + qui + 動詞 + 主語?

前置詞 + qui est-ce que(qu’) + 主語+ 動詞?

Comment

Qui だけのときは,主語と動詞は倒置する。でも,Qui est-ce que のときには,倒置しない。est-ce が入っているときには,いつも倒置しないんだったよ。

次は,人以外(物)についてたずねる場合を復習しておきましょう。

1. 2 人以外(物)についてたずねる

Check

1)「何が ... するのですか?」(主語)

Qu’est-ce qui + 動詞 ?

Check

2)「何を ... するのですか?」(直接目的語)

Que(Qu’) + 動詞 + 主語?

Qu’est-ce que(qu’) + 主語+ 動詞?

Check

3)「... は何ですか?」(補語(属詞)

Que(Qu’) + 動詞 + 主語?

Qu’est-ce que(qu') + 主語+ 動詞?

Check

4)「何に(何で,etc.)... するのですか?」(間接目的語・状況補語)

前置詞 + quoi + 動詞 + 主語?

前置詞 + quoi est-ce que(qu’) + 主語+ 動詞?

2. 3つの冠詞の使い分け(つづき)

ソーマ

再び,Leçon 10 のメニューを見てください。

Leçon 10のメニュー

Check

今からみなさんがマスターしようとしているのは 2. 3つの冠詞の使い分け (つづき)です。

Comment

冠詞が正確に使い分けできなければ,コミュニケーションができないということはないので,3つの冠詞の使い分けにあまり神経質になることはないよ。でも,基本はしっかりマスターしておきましょう。

3つの冠詞の使い分けをもう一度整理しておきましょう。
最初は,不定冠詞・部分冠詞と定冠詞との使い分けです。

2.1 不定冠詞・部分冠詞と定冠詞との使い分け

Check

不定冠詞・部分冠詞 vs 定冠詞

1) 不特定のものを指しているか,または聞き手には何を指しているかわかっていない場合 →   不定冠詞・部分冠詞
2) 名詞が特定のものを指しているか,または話し手も聞き手も何を指しているかわかっている場合 →  定冠詞
Comment

3つの冠詞が三つ巴になって対立していないんだったよね。不定冠詞と部分冠詞は見かけは違っているけれど,似ているところもあるから 「異父(異母)兄弟」のようなものだったんだよね。では,今度はこの「異父(異母)兄弟」の違いを復習しておきましょう。

2.2 不定冠詞と部分冠詞との使い分け

Check

不定冠詞 vs 部分冠詞

共通点:
不特定のものを指しているか,または聞き手には何を指しているかわかっていない場合に使う。

相違点:
数えられるものなら → 不定冠詞 (un, une, des)
数えられないものなら → 部分冠詞 (du, de la, de l' )

Comment

外国語の学習には,「習うより慣れ」という側面もあります。理屈を理解するだけでは不十分です。理解したら,あとはとにかく練習。

3.動詞 partir の直説法現在

ソーマ

再び,Leçon 10 のメニューを見てください。

Leçon 10のメニュー

Check

今からみなさんがマスターしようとしているのは 3.「動詞」partirの直説法現在 です。

Comment

不定詞の語尾が - ir で終わる動詞としては,すでに finir とか venir がでてきましたね。不定詞の語尾が - ir であれば,すべて finir や venir と同じように活用するのではありません。

partir の活用形は,活用語尾の最後だけを見ると,finir や venir と似ていますが,語幹の作り方が違っています。partir の活用のほうが簡単です。

Check

partir

partir  出発する

je  pars tu  pars il(elle)  part
nous  partons vous  partez ils(elles)  partent
Comment

sortir 「出る,外出する」も partir と同じように活用します。

4. 命令法

ソーマ

再び,Leçon 10 のメニューを見てください。

Leçon 10のメニュー

Check

今からみなさんがマスターしようとしているのは 4. 命令法 です。

Comment

ここでは英文法で言うところの「命令文」をマスターしましょう。命令法の文を使うのは,命令するときだけでなく,人に何か頼みたいときにも使います。とても重要な文法項目だから,しっかりマスターしてね。

3種類の命令法

フランス語には3種類の命令文があり,次のように使い分けます。

Check

3種類の命令法

1)tu で話す間柄の人に対する命令
2)vous で話す間柄の人に対する命令
3)nous に対する命令→「... しましょう」

Comment

3)nous に対する命令→「... しましょう」は,英語の Let's ~ にあたる文だよ。

命令文の作り方

大部分の命令文は直説法現在から作ることができます。 danser「踊る」と finir「終える」を例にして,作り方を見てみましょう。

Check

danser

(tu) tu danses Danse ! 「踊りなさい」
(vous) vous dansez Dansez ! 「踊りなさい」
(nous) nous dansons Dansons ! 「踊りましょう」
Comment

tu で話す間柄の人にはDanse!,vous で話す間柄の人にはDansez!,英語のDance! にあたる命令文に2つあるんだね。

Check

finir

(tu) tu finis

Finis ton travail !

「仕事をやってしまいなさい」

(vous) vous finissez

Finissez votre travail !

「仕事をやってしまいなさい」

(nous) nous finissons

Finissons notre travail !

 「仕事をやってしまいましょう」

Comment

所有形容詞にも注意しよう

動詞の命令形の変化だけでなく,所有形容詞(ton,votre,notre) が変わることにも気をつけてね。

もう一度,命令文の作り方をまとめておきましょう。

Check

ステップ 1

直説法現在の活用形から作る

例: tu danses tu finis ton travail
  vous dansez vous finissez votre travail
  nous dansons nous finissons notre travail
Check

ステップ 2

2 主語代名詞を取る

例: tu danses tu finis ton travail
  vous dansez vous finissez votre travail
  nous dansons nous finissons notre travail
Check

ステップ 3

3 tu のところの活用語尾が –es の場合は,s を取る

例: ×Danses !→○Danse ! Finis ton travail !
  Dansez ! Finissez votre travail !
  Dansons ! Finissons notre travail !

動詞の活用の復習

結局は直説法現在形の活用がわかっていないと,命令文を作ることはできないんだね。そこで,直説法現在形の活用をちょっと復習しておこうね。

Check

1 フランス語の不定詞の語尾は,次の4種類しかない

不定詞の語尾:-er,-ir,-oir,-re

Check

2 直説法現在の単数人称(je, tu, il / elle)の活用語尾は次の2つのタイプがある

単数人称の2つのタイプの活用語尾

je -e tu -es il(elle) -e (e-es-e 型)
je -s tu -s il(elle) -t (s-s-t 型)
Comment

動詞の活用には,「e-es-e 型」と「s-s-t 型」がある,このことは覚えておくと役に立つよ。

Check

3 複数人称(nous, vous, ils, elles)の活用語尾は,例外はあるが,1 種類しかない

複数人称の活用語尾

nous -ons  vous -ez ils(elles) -ent
Comment

活用語尾の例外

vous の活用語尾が -ez ではなく,-es の動詞がある。

être: vous êtes
dire(言う): vous dites
faire: vous faites

Check

4 単数人称の2つのタイプの活用語尾(e-es-e 型とs-s-t 型)の使い分けは不定詞の語尾と密接に関係している。

すべての ER 規則動詞とIR 型の動詞の一部  → e-es-e 型
その他の動詞(不定詞の語尾が -ir, -oir, -re) → s-s-t 型
Comment

では,具体的に動詞の活用を復習しながら,命令形を作ってみましょう。最初は ER 規則動詞です。Leçon 2 で学習しましたね。

【復習編】Bis! bis!
L2-1

Comment

次は,不定詞の語尾が -ir の動詞を復習しながら,命令形を作ってみましょう。IR 規則動詞は,Leçon 5 で学習しましたね。

【復習編】Bis! Bis!
L5-1

Comment

次は,不定詞の語尾が -re の動詞を復習しながら,命令形を作ってみましょう。faire は Leçon 7 で学習しましたね。

【復習編】Bis! Bis!
L7-2 (自律学習)

先生,質問 !

不定詞の語尾が - re なら,すべて faire と同じように活用するのですか?

Comment

残念ながらそうではありませんが,でも似ています。faire 以外の不定詞の語尾が - re で終わる動詞も s-s-t 型の活用をします。詳しくは動詞の活用表で確認してもらうことにして,ここではよく使われる2つの動詞を見ておきましょう。

lire 読む

je lis tu lis il(elle) lit
nous lisons vous lisez ils(elles) lisent

dire 言う

je dis tu dis il(elle) dit
nous disons vous dites ils(elles) disent

dire の vous のところの活用形は,ditez ではなくて,dites です。気をつけましょう。

Comment

不定詞の語尾が -re の動詞のつづきです。復習しながら,命令形を作ってみましょう。prendre は Leçon 8 で学習しましたね。

【復習編】
L8-3(自律学習)

否定の命令文は,どのようにして作るのですか?

Comment

そう言えば,否定の命令文について説明するのを忘れていましたね。でも,否定の命令文を作るのは,とても簡単なのです。普通の文の否定文の作り方と同じです。すなわち,動詞を ne と pas ではさめばいいのです。

lire 読む

Chantez! Ne chantez pas!  
歌いなさい!   歌わないで!
Bois de l’eau! Ne bois pas d’eau!  
水を飲みなさい!   水を飲んではいけません! 

2番目の例文で,de l’eau が d’eau に変化していますが,覚えていますか? 直接目的語(eau)についている不定冠詞と部分冠詞(de l’)は,否定文中では de になるのでしたね。

Comment

命令文の作り方,マスターできましたか。ここで,まとめの練習をしましょう。

être と avoir の命令形も直説法現在形から作るのですか?

Comment

残念ながらそうではありません。動詞のなかには,命令形が直説法現在形から作れないものがあります。例えば,être と avoir の命令形は次のような特別な形をしています。

être

(tu) sois (vous) soyez (nous) soyons

avoir

(tu) aie (vous) ayez (nous) ayons

他にも,特別の命令形を持つ動詞はありますが,上の2つの動詞はよく使われますから,覚えておくといいですね。

être と avoir の命令形

être と avoir の命令形を覚えましょう。

Check

être の命令形

(tu) Sois prudent(e)! 「慎重にしなさい」
(vous) Soyez prudent(e)(s)! 「慎重にしなさい」
(nous) Soyons prudent(e)s! 「慎重になりましょう」
Check

avoir の命令形

(tu) Aie du courage! 「頑張りなさい」
(vous) Ayez du courage! 「頑張りなさい」
(nous) Ayons du courage! 「頑張りましょう」
Comment

この2つの動詞の命令形はよく使うから,しっかり覚えてね。

Exercice Synthétique

まず,次の表現をモデルの後について発音して覚えましょう。

regarder la télévison テレビを見る
écouter un CD (disque compact) CDを聞く
bavarder avec des(ses) amis 友達としゃべる
travailler 勉強する・働く

ソーマ

イラストを見て,質問と答えの文を作りましょう。

1)

2)

totop