Leçon 11Les Français et les mangas
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それでは,文法の勉強を始めましょう。
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今からみなさんがマスターしようとしているのは,1. 強調構文です。
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フランス語の強調構文は2つあります。2つの使い分けをしっかりマスターしてね。
1.強調構文
C'est aussi en France que les amateurs de cosplay sont les plus nombreux.
C'est…que は英語の強調構文 it…that と似ているよ。でも,違っているところもあるんだ。注意!
1)形 c'est ... qui... と c'est ... que... の使い分け
フランス語には強調構文が2つあります。c'est ... qui ... と c'est ... que ... です。それでは,この2つの表現はどのように使い分けるのでしょうか。
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2つの強調構文
主語の働きをしている表現を強調するには | → | c'est ... qui… |
主語以外の働きをしている表現を強調するには | → | c'est ... que… |
Point
主語を強調するときには qui ,その他の要素を強調するときには que を使う,ここがポイントだね。とてもよく使われる構文だから,しっかりマスターしようね。
2)用法
それでは,主語の働きをしている表現を強調する場合から,くわしく見てみましょう。
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Eric présente Laure à Luc (chez ses parents).
訳:エリックは(彼の両親の家で)ロールをリュックに紹介する。
Comment
この文の,Eric を強調したいとき,Eric は主語の働きをしているよね。そこで次のルールを適用すると,下のような文ができるよ。
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主語の働きをしている表現を強調するには → c'est ... qui…
C'est Eric qui présente Laure à Luc.
訳: リュックにロールを紹介するのはエリックです。
先生,質問 !
qui の後の動詞の活用は何に一致させるのですか?
Comment
qui の後の動詞は qui の前の主語に一致させます。
C'est Eric qui présente Laure à Luc.
C'est toi qui présentes Laure à Luc.
C'est nous qui présentons Laure à Luc.
今度は主語以外の働きをしている表現を強調したい場合です。
Check
Eric présente Laure à Luc (chez ses parents).
訳:エリックは(彼の両親の家で)ロールをリュックに紹介します。
この文の,Laure を強調したいとき,Laure は直接目的語の働きをしています。そこで次のルールを適用すると,下のような文ができます。
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主語以外の働きをしている表現を強調するには → c'est ... que...
C'est Laure qu'Eric présente à Luc.
訳: エリックがリュックに紹介するのはロールです。
主語以外の働きをしている表現を強調する場合をもうひとつ見てみましょう。
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Eric présente Laure à Luc (chez ses parents) .
訳: エリックは(彼の両親の家で)ロールをリュックに紹介する。
Comment
à Luc を強調したいとき,à Luc は間接目的語の働きをしているよね。そこで,さっきと同じルールを適用して,下のような文ができるよ。
Check
主語以外の働きをしている表現を強調するには → c'est ... que...
C'est à Luc qu'Eric présente Laure.
訳: エリックがロールを紹介するのはリュックにです。
先生,質問 !
前置詞の à は省略できないのですか?
Comment
間接目的語のような,もともと前置詞のついている表現の前置詞は省略できません。
Eric présente Laure à Luc.
→ ○ C'est à Luc qu'Eric présente Laure.
→ × C'est Luc qu'Eric présente Laure.
主語,直接目的語,間接目的語以外の表現も強調することができます。
Check
Eric présente Laure à Luc chez ses parents.
訳: エリックは彼の両親の家でロールをリュックに紹介する。
Comment
chez ses parents を強調したいとき,chez ses parents は状況補語の働きをしているよね。そこで,さっきと同じルールを適用して,下のような文ができるよ。
Check
主語以外の働きをしている表現を強調するには → c'est ... que...
C'est chez ses parents qu'Eric présente Laure à Luc.
訳: エリックがロールをリュックに紹介するのは彼の両親の家でだ。
先生,質問 !
前置詞の chez は省略できないのですか?
Comment
前置詞+名詞句を強調する場合,もともとついていた前置詞を省略することはできません。
Eric présente Laure à Luc chez ses parents.
→ ○ C'est chez ses parents qu'Eric présente Laure à Luc.
→ × C'est ses parents qu'Eric présente Laure à Luc.
もう十分にわかりましたね。念のために,c'est ... qui... とc'est ... que... の使いわけをまとめておきましょう。
Check
主語の働きをしている表現を強調するには | → | c'est ... qui… |
主語以外の働きをしている表現を強調するには | → | c'est ... que… |
Comment
もう一度同じことを言うけれど,主語を強調するときには qui ,その他の要素を強調するときには que を使う,ここがポイントだね。
ここで強調する表現が代名詞の場合を見てみましょう。ちょっと注意が必要です。
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代名詞を強調するとき
代名詞を強調するとき → 強勢形を用いる
Je présente Laure à Luc.
私はロールをリュックに紹介する。
C'est moi qui présente Laure à Luc.
ロールをリュックに紹介するのは私だ。
Comment
moi は je の強勢形だね。代名詞の強勢形を忘れてしまったひとは,Leçon 6 を見て復習しておきましょう。練習は次の課(Leçon 12)でします。
もっと知りたい! Quelques infos en plus !
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テーマ:C'est は常に現在形でいい
動詞の過去形,未来形はまだ勉強していませんが,過去の文,未来の文でも,C'est は常に現在形でいいのです。
- Il dormait dans la voiture.(半過去 → Leçon 14)
彼は車の中で寝ていた。
→ C'est dans la voiture qu'il dormait. - Nous nous marierons l'année prochaine.(単純未来 → Leçon 16)
私たちは来年結婚すると思います。
→ C'est l'année prochaine que nous nous marierons.
que(qui) の節で過去形や未来形が使われていても,いつも現在形の c'est でいいんだよ!
2. 最上級(2)名詞の数量
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今からみなさんがマスターしようとしているのは2. 最上級(2)名詞の数量です。
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形容詞・副詞の最上級はすでに Leçon 8 で勉強しましたね。ここでは,beaucoup de ... 「たくさんの〜」のような数・量をあらわす表現の最上級をマスターしましょう。
フランス語で「もっともたくさんの〜」とか「もっとも少ない〜」と言いたいときはどのような表現を使うのでしょうか。
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「もっとも多くの…」と言いたいときは?
「もっとも多くの…」 le plus de + 名詞
- C’est au Québec que l’on boit le plus de tisane.
訳:ハーブティをもっともたくさん飲むのはケベックです。 - Notre but est de vous donner le plus d'informations possible.
訳:私たちの目的は,あなたがたにできるだけたくさんの情報を伝えることです。
Comment
le plus de は,beaucoup de 「多くの…」の最上級です。le plus de は,beaucoup de と同じように,数えられるものにも数えられないものにも使えます。
1)le plus de + 可算名詞の複数
J'ai le plus de photos.
私はもっともたくさん写真を持っている。
2)le plus de + 不可算名詞
C'est là que j'ai le plus de mal.
一番痛いのはそこです。
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「もっとも少ない…」と言いたいときは?
「もっとも少ない…」 le moins de + 名詞
- Appliquez le moins d'herbicide possible.
訳:除草剤はできるだけ使わないように。 - C'est dans la plus grande fortune qu'on a le moins de liberté.
訳:人がもっとも自由でないのは,莫大な財産があるときである。
Comment
le plus de は beaucoup de の,le moins de は peu de の最上級です。形容詞の最上級とは次の点が違っているね。
1)定冠詞 le は変化しない。
2)前置詞の de が必要。
Comment
「できるだけ少ない…」と言いたいときには,「le moins de + 名詞 + possible」を使います。
J'utilise le moins de papier possible.
私はできるだけ紙を使わないようにしている。
3. 名詞の複数形
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今からみなさんがマスターしようとしているのは3. 名詞の複数形です。
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ここでは例外的な名詞の複数形の作り方を学びます。比較的よく使われると思うので,しっかりマスターしてね。
複数形の作り方
名詞の複数形を作るには,単数形に s をつければいいのですが,例外もあります.
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1)原則:単数形+s
2)-s, -x, -z で終わる名詞 単数形=複数形
bus → bus, prix → prix, nez → nez
3)-eau, -au, -eu で終わる名詞 単数形+x=複数形
bateau → bateaux, cheveu → cheveux
4)-al で終わる名詞 -al → aux
animal → animaux
5)-ail で終わる名詞 -ail → aux
travail → travaux
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特殊な複数形を持つ名詞
特殊な複数形を持つ名詞もあります。
un œil → des yeux (目)
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-ou で終わる名詞
-ou で終わる名詞には x をつけて複数形をつくるものがある。
un bijou → des bijoux (宝石)
先生,質問 !
名詞の語尾が -ouなら,すべて bijou のように s ではなくて,x をつけるのですか?
Comment
実はそうではありません。s ではなくて,x をつけるのは,次の7語だけです。
bijou(x) 宝石 | caillou(x) 小石 |
chou(x) キャベツ | genou(x) 膝 |
hibou(x) ミミズク | joujou(x) おもちゃ |
pou(x) しらみ |
たとえば,clou(釘)や trou(穴)などは原則通り s をつけて複数形を作ります。
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形容詞の複数形
形容詞の男性複数形も名詞の複数形と同じようにして作ります。
単数形 | 複数形 | 例 | |
1) | - s - x |
そのまま | gros → gros(太った) heureux → heureux(幸せな) |
2) | - al | -aux | général → généraux(一般的な) |
3) | - eau | -x を付ける | beau → beaux(きれいな) |
Comment
このルールにしたがって複数形を作るのは男性形の場合だけです。女性形の複数は s をつけるだけです。間違わないようにしましょう。
男性 | 女性 | ||
単数 | 複数 | 単数 | 複数 |
gros | gros | grosse | grosses |
heureux | heureux | heureuse | heureuses |
général | généraux | générale | générales |
beau | beaux | belle | belles |
文法 / 自律学習コーナー
ここからは自律学習コーナーです。
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今からみなさんがマスターしようとしているのは 1. 疑問文と語順です。
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ここで説明されていることは,あまり参考書などには書いてないんだけれど,よく出てくるので,とても重要なことだよ。
1. 疑問文と語順
単純倒置と複合倒置
まず,ちょっと復習をしておきましょう。主語と動詞を倒置して疑問文を作るには,単純倒置と複合倒置の2種類の作り方がありました。
単純倒置 | 動詞+代名詞主語+ ... ? Avez-vous un frère ? |
複合倒置 | 名詞主語+動詞+代名詞主語+ ... ? Laure et Marie ont-elles un frère ? |
このように名詞主語のときは複合倒置をする必要があるのでしたね。忘れてしまったひとは,Leçon 4 を見てください。
でも,実は主語が名詞であっても,複合倒置をしないで,単純倒置,すなわち「動詞+名詞主語」の語順で疑問文を作る場合もあるのです。
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名詞主語で単純倒置する場合
主語が名詞でも,次の場合はふつう単純倒置をする。
1)自動詞の場合
疑問詞+自動詞+名詞主語 ... ?
- Quand part le dernier bateau pour Alcatra ?
アルカトラ行きの船の最終便はいつ出発しますか。 - Où habite le Père Noël ?
サンタクロースはどこに住んでいますか。
2)Que,Qui(補語),Quel だけの場合
疑問詞(Que, Qui, Quel)+動詞+名詞主語 ?
- Que fait votre père ?
あなたのお父さんは何をしていますか。 - Qui est cette dame ?
あの婦人はどなたですか。 - Quel est votre nom ?
あなたのお名前はなんですか。 - Quelle est votre nationalité ?
あなたの国籍はどこですか。
Comment
「Que,Qui(補語),Quel だけの場合」というのは,名詞主語と動詞の他には「Que,Qui,Quel」だけしかない場合という意味だよ。
Comment
Qui が直接目的語になっている場合は,たとえ名詞主語と動詞の他になにもなくても複合倒置します。また,Pourquoi の後でも普通は複合倒置をします。
Pourquoi la tortue pleure-t-elle quand elle pond ?
亀は卵を産むときになぜ泣くのですか。
2. 直説法現在の動詞活用のまとめ
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今からみなさんがマスターしようとしているのは 2. 直説法現在の動詞活用のまとめです。
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あとしばらくすると新しい時制を学びますが,活用形は現在形の活用ほど不規則ではありません。なんといっても現在形の活用はちょっとたいへんだね。あとひと頑張りしましょう。
動詞の活用で一番苦労するのは,なんといっても現在形の活用です。
そこで,現在形の活用をマスターするコツをいくつか教えます。
現在形の活用の覚え方
・規則的に作れるものと不規則なものは分けて取り組みましょう。
・規則的に作れるものは規則をしっかり理解しましょう。
・不規則なものは理屈抜きに何度も発音して覚えましょう。
Comment
全ての動詞を理屈抜きに覚えるのはたいへんだから,規則的に作れるものはなるべく規則を覚えるようにしようね。
1)2種類の活用語尾
Point
まず,直説法現在の単数人称(je, tu, il / elle)の活用語尾には2つのタイプがあります。e-es-e 型と s-s-t 型です。
Check
単数人称の活用語尾
je -e | tu -es | il(elle) -e | (e-es-e 型) |
je -s | tu -s | il(elle) -t | (s-s-t 型) |
Point
それに対して,複数人称(nous, vous, ils, elles)の活用語尾は,いくつか例外はありますが,1種類で次のようになります。
Check
複数人称の活用語尾
nous -ons | vous -ez | ils(elles) -ent |
Comment
次の動詞の活用語尾は例外だよ。
・vousの活用語尾が -ez ではなくて,-es の動詞
être : vous êtes
dire : vous dites
faire : vous faites
・ils(elles) の活用語尾が -ent ではなくて,-ont の動詞
avoir : ils ont
être : ils sont
aller : ils vont
faire : ils font
Comment
複数人称の場合は1つのタイプしかないから問題ないね。やっかいなのは単数人称の場合だね。単数人称の活用語尾,e-es-e 型とs-s-t 型はどのように使い分ければいいのでしょうか?
Point
単数人称の活用語尾,e-es-e 型とs-s-t 型はどのように使い分ければいいのでしょうか?この質問に答える前に,フランス語の不定詞について復習しておきましょう。フランス語の不定詞(動詞の原形)の語尾の形は限られています。4種類しかありません。
Check
不定詞の語尾
-er,-ir,-oir,-re
Point
フランス語の不定詞の語尾は英語のようにいろいろないんだね。すべての動詞の語尾はこの4つのうちのどれかだよ。例外はないんだ。
さあ,いよいよさきほどの疑問に答えましょう。実は,e-es-e 型と s-s-t 型の使い分けは不定詞の語尾と密接に関係しているのです。
Check
不定詞の語尾と活用語尾
すべての ER 規則動詞とIR 型の動詞の一部 → e-es-e 型
その他の動詞(不定詞の語尾が -ir, -oir, -re) → s-s-t 型
Comment
ER 規則動詞(→ Leçon 2)というのは danser とか aimer のような動詞のことだね。規則動詞にはあと finir のような IR規則動詞(→ Leçon 5)というのがあったね。覚えている? IR 規則は s-s-t 型なんだけれど,語尾が -ir でも e-es-e 型 の動詞も少しだけれどあるんだよ。ouvrir「開ける」,offrir「贈る」 はe-es-e 型なんだ。
2)s-s-t 型
では,s-s-t 型の動詞について詳しく見てみましょう。まず,典型的な s-s-t 型の動詞 finir 「終える」と venir 「来る」の活用です。
Check
finir
je | finis | nous | finissons |
tu | finis | vous | finissez |
il / elle | finit | ils / elles | finissent |
Check
venir
je | viens | nous | venons |
tu | viens | vous | venez |
il / elle | vient | ils / elles | viennent |
Comment
動詞を活用させるには,語尾も大事だけれど,それ以外の部分「語幹」も大事だね。venir の語幹は3つ(vien,ven,vienn)もあるので,要注意だね。
savoir 「知っている」も,不定詞の語尾が -oir だから,s-s-t 型です。
Check
savoir
je | sais | nous | savons |
tu | sais | vous | savez |
il / elle | sait | ils / elles | savent |
Comment
savoir の語幹は,sai と sav の2種類です。よく使う動詞だから,何度も発音して活用を覚えてしまいましょう。
3)s-s-t 型のヴァリアント
s-s-t 型には次のようなヴァリアントがあります。s-s-t 型に似ていますが,でも少し違っています。
Check
s-s-t 型のヴァリアント
x-x-t 型
ds-ds-d 型
ts-ts-t 型
Comment
なんかだんだん面倒になってきたね。もう少し詳しく見てみましょう。
x-x-t 型
Comment
s-s-t 型の -s を -x に変えると x-x-t 型になるね。
s-s-t 型のヴァリアント,x-x-t 型になる動詞としては,pouvoir「〜できる」,vouloir「〜が欲しい,〜したい」があります。
Check
pouvoir
je | peux | nous | pouvons |
tu | peux | vous | pouvez |
il / elle | peut | ils / elles | peuvent |
Check
vouloir
je | veux | nous | voulons |
tu | veux | vous | voulez |
il / elle | veut | ils / elles | veulent |
Comment
x-x-t 型になるのは,pouvoir,vouloir,valoir「〜価値がある」だけ。他の -oirで終わる不定詞は,普通の s-s-t 型だから,安心してね。
ds-ds-d 型
Comment
s-s-t 型の -t が付いていないのが ds-ds-d 型。ということは,語幹が d で終わるときには,活用語尾の–t を付けないということかな。
ds-ds-d 型になる不定詞の語尾は -dre になっています。この ds-ds-d 型は,prendre「取る」タイプと attendre「待つ」タイプに分かれます。
Check
prendre
je | prends | nous | prenons |
tu | prends | vous | prenez |
il / elle | prend | ils / elles | prennent |
Check
attendre
j' | attends | nous | attendons |
tu | attends | vous | attendez |
il / elle | attend | ils / elles | attendent |
Comment
il / elleの語幹が -d の場合には,語尾の t をつけないということだね。ここが普通の s-s-t 型と違うんだ。
先生,質問!
prendre タイプと attendre タイプ,どこが違うのですか?
Comment
attendre タイプの活用形は,不定詞の語尾 (re) を取って,s,s,φ,ons,ez,ent を付ければできます。それに対して,prendre タイプはそう簡単ではありません。語幹が prend,pren,prenn の3種類あります。不定詞の語尾(dre)を取って,ds,ds,d,ons,ez,nent を付ければ,活用形ができる,このように考えてもいいね。
他にどんな動詞があるんですか?
Comment
そうだね,prendre タイプとしては,apprendre 「学ぶ」,comprendre 「理解する」,surprendre 「驚かせる」 などがあるね。attendre タイプとしては,descendre「降りる」, entendre 「聞こえる」,rendre 「返す」,vendre 「売る」,répondre 「答える」,répandre 「広める」,perdre 「失う」などがあるね。
不定詞の語尾が -dre ならば,みんなds-ds-d 型じゃないんですか?
Comment
残念ながらそうではありません。craindre 「 こわがる,心配する」,atteindre 「着く,達する」,éteindre「消す」,peindre 「ペンキを塗る,描く」などは s-s-t 型です。
craindre
je | crains | nous | craignons |
tu | crains | vous | craignez |
il / elle | craint | ils / elles | craignent |
このタイプの動詞は,複数人称の活用が -gnons,-gnez,-gnent となるのが特色です。
ts-ts-t 型
ts-ts-t 型になる不定詞の語尾は -ttreになっています。mettre「置く,入れる」,battre「たたく」とその派生語がこのタイプです。
Check
mettre
je | mets | nous | mettons |
tu | mets | vous | mettez |
il / elle | met | ils / elles | mettent |
Check
battre
je | bats | nous | battons |
tu | bats | vous | battez |
il / elle | bat | ils / elles | battent |
Comment
単数人称の活用は,語幹 met (bat) に s,s,φ という活用語尾を付けて作るんだね。複数人称の活用は,語幹 mett(batt) に,ons,ez,ent を付ければいいんだ。
先生,質問!
mettre,battre と同じように活用する動詞としては,他にどんな動詞があるんですか?
Comment
そそれぞれの動詞の派生語が同じように活用します。
mettre の派生語:
admettre 「認める」,
commettre 「(過ちを)犯す」,
permettre 「許可する」,
promettre 「約束する」,
remettre「(元の場所,状態に)戻す」
battre の派生語:
abattre 「倒す」,
combattre 「戦う」
4)まとめ
以上説明したことをまとめると次のようになります。
Check
直説法現在形の活用
① | すべての ER 規則動詞とIR 型の動詞の一部 | → e-es-e 型 |
② | その他の動詞(不定詞の語尾が -ir, -oir, -re) | → s-s-t 型 |
ただし,次の動詞は s-s-t 型のヴァリアントの活用語尾になる:
a) | pouvoir ,vouloir | → x-x-t 型 |
b) | 不定詞が - en (on, an) dre,rdre の動詞 | → ds-ds-d 型 |
c) | 不定詞が - ttre の動詞 | → ts-ts-t 型 |
Comment
たとえば,résoudre 「解決する」の活用語尾はどうなるのでしょうか?もちろん e-es-e 型ではないね。語尾は -re だけれど,-endre ではないから,s-s-t 型ということになるね。
活用語尾についてはもう大丈夫ですね。それでは今度は語幹についてちょっと説明します。直説法現在形の語幹は不定詞の語尾( -er, -ir, -oir, -re)を取って作れるものもありますが,そうでないのもたくさんあります。そこで最後のアドヴァイス。
Check
直説法現在の活用
1. ER 規則動詞とIR 規則動詞
→ 活用の規則をしっかり理解しましょう!
2. その他の動詞(不定詞の語尾が -ir, -oir, -re)
→ 何度も発音して覚えましょう!
Comment
ただし,活用語尾に関しては,今回説明したことを覚えておくと,いざというときに役に立つよ。
Exercice synthétique
( )に qui か que を入れて,次に文全体を日本語に訳しましょう。
Comment
「強調構文」はよく使われるので,しっかりマスターしてね。それと,「名詞の複数形」,これも重要だよ。この課では,-s をつけて作るのではない複数形について学びましょう。動詞の活用で面倒なのは,やっぱり現在形だね。このあたりで整理しておくことにしましょう。