1. 接続法現在

用法

1) の「主節が願望,必要性,可能性,疑惑,心配,感情をあらわすとき」の続きです。

接続法をとる「疑惑」をあらわす主な表現
 
douter que … 「〜を疑っている」
il est douteux que … 「〜は疑わしい」
ce n'est pas sûr que … 「〜は確かではない
Elle doute que ce médicament soit efficace.
彼女はこの薬が効くかどうかを疑っている。
Il est douteux qu'il fasse beau demain.
明日晴れるかどうかは疑わしい。
Ce n'est pas sûr qu'elle sache la vérité.
彼女が真実を知っているかどうかは確かではない。

「疑惑」をあらわさない場合は,直説法がよく使われるんだよ。

Je ne doute pas que ce médicament est efficace.
この薬が効くのは間違いない。

こんどは,心配をあらわすときについてです。

接続法をとる「心配」をあらわす主な表現
 
avoir peur que …
「〜を心配する」
craindre que … 「〜を心配する」
J'ai peur qu'il (ne) pleuve.
雨が降るのではないかと心配だ。
Je crains qu'il (ne) soit malade.
彼が病気ではないかと心配だ。

craindre の現在形の活用,覚えているかな?

je crains tu crains il/elle craint
nous craignons vous craignez ils/elles craignent


先生,質問!

Je crains qu'il ne soit malade. の ne は何ですか?

この ne は「虚辞の ne 」と言われるもので,否定の意味はありません。虚辞の ne は,この例のように主節が「心配」をあらわす動詞のときに従属節内で用いられます。日本語でも同じような言い方(「〜ではないか」)をするから,なぜ虚辞の ne が用いられるかはなんとなく理解できますね。

Je crains qu'il ne soit malade.
彼が病気ではないかと心配だ。
J'ai peur qu'il ne pleuve.
雨が降るのではないかと心配だ。


しかし,話し言葉ではしばしば省略されます。この虚辞の ne は,この他に avant que と à moins que の後でも用いられますが,これについてはまた後で説明します。

疑惑をあらわす動詞が否定形になると,虚辞の ne が使われることがあるんだよ。

Je ne doute pas que ce médicament ne soit efficace.
この薬が効くのは間違いない。