3. 代名詞 y

Ils y vont souvent entre amis et adorent discuter du film qu’ils viennent de voir.

y は,この文では au cinéma のかわりをする代名詞だよ。英語の there に似ているけれど,y はちょっと変わった代名詞だよ。「場所」以外の表現のかわりをすることもできるんだ。

1)用法 その1

代名詞 y を使うのは?

     「à 名詞」→ y

- Tu vas souvent à Paris ?
- Oui, j’y vais quelquefois. (← je vais à Paris)
訳: - よくパリに行くの?
  - ええ,(そこへは)ときどき行きます。

質問に名詞で答えたなら,je vais à Paris となります。à Paris のように,「à+名詞」は全体を代名詞 y にかえることができるんだよ。

先生,質問!

これって副詞ではないのですか?英語の there に似ているので。

そうですね,前置詞+名詞のかわりをしているのだから,代名詞の働きだけではなくて,副詞の働きをもしていますね。それで y を「副詞的代名詞」と呼ぶ人もいます。y は,かわりをするもとの表現の性・数に関係なく用いることができるので,普通は「中性代名詞」に分類されます。

同じように「à+名詞」が代名詞化される例をもうひとつ見てみましょう。実は, y にかえることができる「à+名詞」の「名詞」は場所をあらわす表現とは限らないのです。

- Pensez-vous à votre avenir ?
- Oui, j’y pense souvent . (← je pense à mon avenir)
訳: - あなたはあなたの将来のことを考えていますか。
  - はい,よくそのことを考えます。


mon avenir は,「私の将来」という意味ですから,場所をあらわす表現ではありません。でも,「à+名詞」の形をしているから, 全体を代名詞 y にかえることができるのです。