2. 時制の一致

時制の一致について見る前に,主節と従属節についてちょっと説明しておきます。「節」は「主語+動詞」でできていますが,この組み合わせがふたつある場合,一方が主節になって,もう一方が従属節になる場合があります。たとえば,間接疑問文の疑問をあらわしている部分は,従属節です。

 Je ne sais pas si vous vous souvenez de moi.

上の文では,Je ne sais pas が主節で,si vous vous souvenez de moi は,従属節です。その他に,名詞節を導く que のついている従属節もよく使われます。

 Je sais qu'elle est intelligente.

主節の動詞が過去時制のとき,従属節の時制は主節の動詞の時制に一致して次のように変化します。

時制の一致
 
現在→半過去 複合過去→大過去
単純未来→条件法現在 前未来→条件法過去

これまでに見てきた時制については大丈夫かな?条件法現在は,Leçon 19 で,前未来と条件法過去は,Leçon 20 で詳しく見ていきます。

半過去は変化しない

半過去形の場合は,従属節の時制は変化しません。半過去→半過去が原則です。

それでは,時制の一致を具体的に見ていきましょう。

 

1)現在 → 半過去

Elle m'a dit : « Je ne l'aime plus. »
→ Elle m'a dit qu'elle ne l'aimait plus.
もう彼のことを愛してないと彼女は私に言った。

 

2)複合過去 → 大過去

Elle m'a dit : « Je l'ai quitté. »
→ Elle m'a dit qu'elle l'avait quitté.
彼と別れたと彼女は私に言った。

 

3)単純未来 → 条件法現在

Elle m'a dit : « J'aurai un enfant. »
→ Elle m'a dit qu'elle aurait un enfant.
子供が生まれるだろうと彼女は私に言った。

 

4)前未来 → 条件法過去

Elle m'a dit : « J'aurai fini ma thèse de doctorat avant
trente ans. »
→ Elle m'a dit qu'elle aurait fini sa thèse de doctorat
avant trente ans.
30歳になる前に博士論文を書き終えているだろうと彼女は
私に言った。

時制の一致の練習は,Leçon 20 の「直接話法と間接話法」のところでします。