2. 中性代名詞 le
2. 1 直接目的語として用いられた不定詞(句)・節のかわり
1)の「直接目的語として用いられた不定詞(句)・節の代わりをする用法」から見ていきましょう。最初は,不定詞(句)の代わりをする用法です。
a) 不定詞(句)の代わりをする用法 | |
Elle voulait quitter Luc mais elle ne pouvait pas quitter Luc. |
太字になっている quitter Luc は動詞 pouvait(pouvoir の半過去形)の直接目的語として用いられた不定詞句です。同じ表現(quitter Luc)がすぐ近くにあり,構文も似ているから,中性代名詞 le を用いて代名詞化することができるんだよ。 |
1)の「直接目的語として用いられた不定詞(句)・節の代わりをする用法」の続きです。次の例も,不定詞句の代わりをする用法です。
a) 不定詞(句)の代わりをする用法 | |
Il désire habiter avec Marion mais elle ne veut pas habiter avec lui. 訳:彼はマリオンといっしょに住みたいが,彼女はそうしたくない。 |
太字になっている habiter avec lui は,動詞 veut(vouloir の現在形)の直接目的語として用いられた不定詞句です。同じような表現(habiter avec Marion)がすぐ近くにあるから,中性代名詞の le で置き換えることができるんだね。 |
中性代名詞 le は省略できないのですか? くだけた話し言葉では,次の例のようにこの le はふつう省略されます。
結局,話し言葉では,不定詞句の代わりをする le はあまり用いられないのですね。 |