1. 直説法半過去

半過去の用法:半過去を用いるときの注意点

半過去の4つの用法に共通しているのは,過去の出来事を未完了で,継続中,進行中のものとしてとらえている点です。それで,半過去を実際に使うときには次のような制約があります。

半過去の制約
 

半過去は原則として明確な期間・回数をあらわす表現とともに用いることはできない。

カメラは被写体(過去の出来事)に接近しているのだから,出来事のスタート点やゴールは見えていない。そのようなときに,期間とか回数を考えるのは変だよね。

半過去の用法:半過去を用いるときの注意点

具体的に見てみましょう。過去の進行中の動作をあらわしている例です。

Quand j'ai rencontré Jean, il se promenait avec Anne.
私がジャンと出会ったとき,彼はアンヌと散歩しているところだった。
× Hier, il se promenait avec Anne toute la journée.
きのう,彼はアンヌと一日中散歩した。
Hier, il s'est promené avec Anne toute la journée.
きのう,彼はアンヌと一日中散歩した。

2番目の文がよくないのは,toute la journée 「一日中」という期間をあらわす表現と半過去がいっしょに用いられているからだよ。「散歩しているところ」なんだから,期間についてうんぬんするのは普通は変だよね。この場合には3番目の文のように,過去の出来事を完了したものとしてとらえる複合過去形を用いるんだよ。