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- Euro圏とEU
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戦後ソビエトを中心とした社会主義陣営と超大国アメリカの狭間でヨーロッパ統合の機運が高まりました。その後3つの共同体(石炭鉄鋼、経済、原子力)からなる欧州諸共同体(EC)が生れましたが、加盟国が増える中、域内での経済及び市場の安定が急務となりました。そこに社会主義体制の崩壊が伴い、政治においても協力体制が必要となり、欧州統合計画が打ち出されました。
ドイツは、ECが1992年に発表した欧州統合計画に積極的で、EUには発足当初から加盟し、1999年欧州共通通貨ユーロを導入しています。2011年現在EU加盟国は27ヶ国になっていますが、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ポルトガルなどの経済状況は危機的です。輸出で黒字をだしているドイツやフランスが高い国債を買うなどして経済支援をおこなっています。しかし最近ではユーロ圏全ての国が財政赤字を抱えているので、どこか1国が破たんすると共倒れとなってしまう危険性も指摘されています。
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- ドイツのデザイン
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家具や食器、自動車などでのドイツのデザインは、機能性に優れており、またその洗練されたデザインは、確かな技術に裏打ちされています。イタリアやフランスのような華やかさはありませんが、日常的に使っていて飽きのこないデザインといえます。その伝統は、工芸学校と美術学校が統合してできた「バウハウス」という学校に由来します。
バウハウスは、建築家ヴァルター・グロピウスを校長にむかえて1919年にワイマールに設立され、その後1925年にはデッサウに移転し、その革新的デザインと理念で急速に注目されるようになりました。「建築」を造形活動の最終点と位置づけるも、全ての造形物に通じ、そのデザインは、人々の生活と密接に結びつき、利便性と機能性とを統合することを常にテーマとしています。
この理念は今でもドイツデザインの根底に流れていて、高層集合住宅から椅子、机、鍋、文房具の一つひとつに至るまでデザインされています。