ライン渓谷中流上部
スイスアルプスを源に6カ国を通ったのち北海に注ぐ1,233kmのライン川。そのうちドイツを流れるのは698kmです。とりわけ景観の美しさで有名であり、世界遺産にも指定されているのが、ビンゲンからコブレンツまでの65kmの渓谷です。この区間をライン渓谷中流上部と呼びます。
伝説や歌で有名なローレライの岩山もここにあります。
ライン川は古くから重要な交易路として船の行き来が盛んでしたが、この岩山のところでは川幅が極端に狭くなり急流になるため、航行の難所でした。そのため「岩山にたたずむ美女が船頭を魅惑して、舟が川の渦に巻き込まれる」というローレライ伝説が生まれたのです。また城砦として造られた城は、三十年戦争で廃墟となり、今では古城として川の美しさを演出しています。険しい斜面には、有名なラインワインのブドウ畑、点在する古い家々が中世以来の面影をとどめています。