戻る width=



マウルブロンの修道院群

 この修道院は、1147年にシトー派の修道院として建造されました。シトー派はフランスのシトーで1098年に設立され、戒律を厳しく守り、労働と勉学を重んじました。全ての建物は外界と隔絶され、外壁の中に一つの集落のようになっています。自給自足を旨とし、偶像は禁止され、染色していない生成りの衣類を身に付けるなど質素な生活が特徴でした。
 宗教改革により修道院は閉鎖され、後にプロテスタントの神学校が開校されました。いまでも鍛冶場、製粉所、食堂、診療所など修道院時代の生活に必要な施設が残っています。特に回廊は、往時を偲ばせています。
 ノーベル文学賞作家ヘルマン・ヘッセは、19世紀にこの神学校で学びましたが、長続きせず半年ほどで退学してしまいました。その時の体験に基づいて書かれた小説が『車輪の下』です。