体系を重視したスペイン語文法
詳細な解説と豊富な練習問題

●本書は全26章からなり、発音から初級文法まで網羅しています。一つの章は3ページの解説と、1ページの練習問題からなります。文法事項には詳細な解説をつけました。学習者が予習の段階で一定の理解度に到達することが狙いです。同じ理由で、復習をする際や、授業としてのスペイン語が終わり、学習者として自立した後でも末永く使うことのできる教科書にすることを目指しました。
●それぞれの文法事項がスペイン語文法という体系にどのように位置づけられているのか、という点を重視している点も本書の特徴です。そうすることで、難易度の高い文法事項の理解を助けることが目的です。例えば、本書には点過去を扱う章と線過去を扱う章を個別に設けていますが、それとは別に更に、「時制の体系」という章を設けています。理解の難しい点過去と線過去の違いも、それぞれがどのように守備範囲を分担しているのかを考えてみることで浮き彫りになると考えました。本書の「文の作り方」という章や接続法に3章分を割いていることも体系を重視してのことです。
●本書は約170億語からなるコーパス、Spanish Web 2018 を基盤としています。例文に使用する語彙、人名など、実際に使われることの多いものを積極的に取り入れています。
●語彙を重視しているのも本書の特徴です。巻頭と巻末に最頻出単語と最頻出熟語のリストを付し、さらに、最頻出動詞の語法や熟語などの複単語表現について、個別の章を設けています。後述の特設サイトで公開している語彙教材と併せ、DELE B1 合格に必要な語彙は網羅されています。
●それぞれの文法事項の練習問題も豊富に設けています。教科書本体には、作文や和文西訳問題を多めに掲載しました。初級レベルにおいては独学しづらいタイプの問題なので、授業中に扱えるようにするためです。穴埋め問題や単純な動詞の活用問題などのドリルとして、「別冊見開き問題集」を挟み込みにしています。また、特設サイトにも同種の問題集を掲載しています。いずれのドリルの解答も特設サイトに公開しており、自習にも適してます。

（2024年初版）